アステック 細胞科学研究所

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2013.11.22

細胞のダイナミクス「筋芽細胞の融合」

みなさま、こんにちわ。
当ラボでは動物細胞の培養を行なっており、培養中の細胞挙動のモニタリングも行なっております。
細胞は一つ一つが独立した形で存在していることが多いのですが、特定の条件下では細胞同士が寄り集まり、一つの大きな細胞(合胞体)となることがあります。

合胞体の代表的な例として「筋繊維」や「破骨細胞」、「胎盤」などが挙げられます。
ここでは「筋繊維」が形成されていく様子を御紹介します。

一つ一つは筋芽細胞と呼ばれるもので、これが筋肉を構成します。
特定の条件下で培養すると、ばらばらだった細胞が集まり、太い線状の構造体となります。
これを「筋繊維」と呼びます。

このときに注目していただきたいのが二点あります。
一つは細胞が単純に集まったというのではなく、細胞が融合して一つの大きな構造体となったこと。
もう一つは細胞の融合がランダムに起こっておらず、方向性を持って融合していること。よく見ると紡錘状の細胞の長軸方向同士が融合しているようです。

もしランダムに融合するのでしたら、このような太い線状の構造体にはならず、ドーム状やボール状になることが推測されます。

なぜ細胞融合がランダムに起こらず、あたかもセンサーがあるかのように長軸方向へ融合するのか?
その答えが近年ようやく明らかになりつつあります。
多くのタンパク質や遺伝子が関与しており、私たちヒトの目には単純に思える動作であっても実は非常に複雑なメカニズムによって制御されているのです。

Hindi SM, Tajrishi MM, Kumar A. Signaling Mechanisms in Mammalian Myoblast Fusion.Sci. Signal., 23 April 2013
Vol. 6, Issue 272, p. re2
[DOI: 10.1126/scisignal.2003832]

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